胴長で短足、くりくりの愛くるしい目をした動物フェレット。
近年、人気急上昇中で一緒に暮らしてみたいと思っている方も多いかと思います。そんなフェレットですが、まだまだペットとしては歴史が浅く、詳しい飼育方法などはなかなか見つけるのが難しいのが現状です。
そんなフェレットの飼育方法について、実際に飼育経験のある私が詳しく解説していこうと思います。
この記事を見ることでフェレットの飼育に必要な用品・お世話の内容・飼育の簡単な点、難しい点がお分かりいただけると思います。
飼育の簡単な点と難しい点
簡単な点
- 鳴き声はかなり小さいので、賃貸でも飼いやすい
- トイレを覚えてくれるため、掃除が簡単
- 一日の大半は寝ており、一人遊びも得意なため、昼間にお仕事や学校がある人でも心配の必要なし
難しい点
- フェレットの独特な獣臭がする
- 爪切り・耳掃除・お風呂などこまめなお世話が必要
- 犬と同様にジステンパー症とフィラリアの予防をする必要がある
必要な用品
フェレット飼育に必ず必要なものは以下のものになります。それぞれ簡単に説明していきます!
- ケージ
- トイレ・トイレ用の砂
- 給水器
- ご飯入れ
- ハンモック
- 爪切り
ケージ
フェレットが生活するためのケージになります。部屋でお散歩させている時以外は、このケージ内で過ごしてもらうことになりますので、十分な大きさのケージを用意してあげる必要があります。一頭飼育の場合は、横幅が60cm以上あるケージなら問題ないでしょう。フェレットはジャンプして高い所へ上るということは得意ではないため、チンチラやモモンガのような高さのあるケージは特に必要ありません。
トイレ・トイレ用の砂
フェレットは隅におしりをくっつけて排泄をする習性があります。そのため、ケージの隅における形のもので、少し高さのあるものがおすすめです。現在はフェレット用のトイレというものが販売されていますので、そちらのトイレを購入すれば間違いないでしょう。
また、トイレにはにおい対策や掃除のことを考えると、トイレ用の砂を入れるとよいです。猫用のものを買ってしまうと、誤って誤飲してしまうことがあるため、フェレット用のトイレ砂を購入しましょう。
給水器
水を床に置いてしまうとフェレットがこぼして濡れてしまう原因となるため、ケージに取り付ける給水器を用意してあげましょう。小動物用の給水器であれば、何を選んでも問題なし!
ただし、フェレットはたくさん水を飲むので、大きめのものを選ぶとよいです。
ご飯入れ
フェレットのご飯(ペレット)を入れるためのご飯入れを用意する必要があります。ケージに取り付けるものであれば、誤ってこぼしてしまうということがないのでオススメです。
ですが、陶器でできた低めの入れ物であれば床に置くタイプでも大丈夫です。陶器のものは見た目がかわいいものが多いですからね♪
ハンモック
フェレットが寝るための場所として吊るすタイプのハンモックを用意してあげるのがおすすめです。寝床としてはベッドタイプのものもあるのですが、汚れやすく洗濯する手間がかかってしまうためあまりおすすめできないです。
フェレットは暑さに弱いため、通気性の良いものを選びましょう。
爪切り
爪が長すぎると布などに引っかかりけがをしてしまう可能性があるため、定期的に爪切りをしてあげる必要があります。小動物用の爪切りであれば特に問題ないので、フェレットお迎え時に一緒に購入しておきましょう。購入時に爪の切り方もペットショップの店員さんに聞いておくと安心です。
シャンプー
フェレットは体をきれいに保ち、においを抑えるため、定期的に洗ってあげる必要があります。選ぶシャンプーは小動物用の低刺激のものであれば大丈夫です!
あると便利な用品
おもちゃ
フェレットはすごく遊び好きの動物です。かじっても大丈夫な固めのおもちゃをケージに入れておくと、お留守番している時に暇になりにくいです。
イヤークリーナー・綿棒
フェレットの耳は耳垢がたまりやすいため、定期的に掃除してあげる必要があります。その際に必要になるのがイヤークリーナーと綿棒。小動物用の耳洗浄液であれば問題ないと思いますが、フェレット用の耳洗浄液が販売されているため、そちらを購入すると安心です。
綿棒は慣れるまでは赤ちゃん用の柔らかい綿棒やペット用の綿棒を使用してあげると安心です。
ペットヒーター
かなり冷え込む冬場などにペットヒーターをケージ内に入れてあげ、暖かい場所とそうでない場所を作ってあげるとフェレットが好きな温度の場所を選ぶことができます。そのため、冷え込んでくる11月~3月に設置してあげるのがおすすめです。
お世話内容
環境
フェレットは寒さに比較的強く、暑さには非常に弱い生き物です。
ペットとして飼育されているフェレットの適正気温は15℃~25℃・適正湿度は45%~60%と言われており、夏場は冷房をつけて適正な温度に保つ必要があります。また、冬場はケージ内に毛布やパネルヒーターを入れてあげるなど暖かくする必要があります。
また、フェレットのケージの配置場所は、下記の点を避けて配置する必要があります。
- ドアや窓などの気温の変化が起こる場所
- 直射日光が当たる場所
ご飯
フェレットは消化管が短いため、食べたものをすぐに消化して排泄します。食べ過ぎるということがないため、ご飯は常に切らさないようにしましょう。
与えるご飯はフェレット用の固形フードを与えれば大丈夫です。仔猫用のキャットフードでも代用は可能ですが、現在では品質の高い国内産のフェレットフードが売られているため、なるべくフェレット専用フードを購入するようにしましょう。
幼いフェレット(12週齢ぐらいまで)は固くて大きいフードを食べるのが大変なため、水:フード=3:1を入れ物に入れてふやかしてから与えましょう。徐々にドライフードに切り替えていき、12週齢を超える頃にはドライフードをそのまま与えるようにしてください。
部屋んぽ
フェレットは非常に遊び好きな動物です。1日に30分~1時間程度部屋に放して遊ばせてあげる必要があります。フェレットを遊ばせている時は、事故が起きてけがをしないようフェレットから目を離さないようにしましょう。
部屋で遊ばせる際には下記の点に注意して遊ばせます。
- 小さなものは誤飲の可能性があるため、置かないようにします
- 高いところから落ちると危険なため、高いところには登れないようにします
- 家具の隙間などの狭い場所に入ってしまうため、入られると困る場所は入れないようにします
- ベッドや机の脚がゴム製品の場合、嚙みちぎって食べてしまう可能性があるため、かじれないように対策をします
- 万が一、電源コードを噛んでしまうと感電してしまう可能性があるため、電源コードをペットから守るカバーをつけるようにします
掃除
トイレは朝晩の2回、ケージ内は1回床に落ちているごみを拾う程度で掃除をしてあげましょう。また、ケージ内に取り付けているハンモックや毛布などは1週間に1回きれいなものと取り換えるようにしましょう。
爪切り
1週間に1度くらいのペースで爪を切ってあげる必要があります。使用する爪切りはペット用のはさみタイプの爪切りがおすすめです。
爪の中のピンクの欠陥部分を切ってしまうと血が出てしまうため、ピンクの部分の手前まで切るようにしましょう。万が一、ピンクの部分を切ってしまった時のために、止血剤を用意しておくとよいです。
お風呂
1か月に1~2回、37℃程度のぬるま湯でシャンプーをしてあげましょう。適度なお風呂はにおいを抑えることができますが、過度にシャンプーをしてしまうと皮脂が多く分泌されることになり、においが強くなってしまいます。
においが気になる場合は、水なしシャンプーや香りのスプレーなどがありますので、そちらで対策するとよいです。
耳掃除
フェレットは耳の中が汚れやすい生き物なので、耳掃除をしてあげる必要があります。頻度は耳が汚れていると感じたときにする程度で大丈夫です。
イヤークリーナーを耳の中に垂らし、耳を上から優しくもんであげると汚れが浮き出てくるため、綿棒で優しくふき取ってあげます。綿棒は耳の奥に入れてしまうとけがの原因となってしまうので、表面の浮き出た汚れを取るだけで十分です。
耳掃除が上手にできるか心配な場合は、動物病院に連れて行った際についでにやってもらうといいかと思います。実際、私は耳掃除ができるか不安だったので、動物病院でやってもらってました。
予防接種
ジステンパー感染症
フェレットはジステンパー症という致死率の高い病気に感染する可能性があります。なので、このジステンパー症の予防接種を必ず行う必要があります。
接種時期としては、生後1~2か月の時期に初めての予防接種を受け、3回目までは月に一回受けます。4回目以降からは年に1回のペースで予防接種を受けましょう。獣医師によっては、接種タイミングが違う場合もあります。その場合は、獣医師の方と相談して決めるようにしてください。
フィラリア症
フィラリア症は蚊を媒介とし、寄生虫が入り込んでしまう病気です。そのため、こちらもジステンパーと同様にフィラリア症予防を行う必要があります。
予防期間としては蚊が血を吸う時期となりますが、こちらは地域によって変わってきます。フェレットを迎えた後の健診の際に、獣医師の方にきくもしくはペットショップの方にきくとよいです。参考として、愛知県で5~12月の8か月間が予防期間となります。
予防方法は簡単で月に一回薬を飲ませてあげるだけで大丈夫です。また、薬と言ってもおやつのようなものを食べさせるだけなので、好んで食べてくれることが多いと思います。
まとめ
ここまでフェレットの飼育方法や飼育上の注意点について紹介していきました。
いくつか注意する点があり、飼育が難しいのかなと感じた方もいるかと思いますが、実際に飼育して慣れてくるとそれほど難しいものでもありません!
少しでもフェレットを飼育できそうだと思ってくださる方が増えたらなと思います!
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